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【地域おこし協力隊OBOG紹介】自分たちが「おもしろい」と思うことを佐藤朋也さん 森脇香奈江さん(松江市/ジビエ活用・合同会社設立)

猪肉活用に取り組む、大阪出身の佐藤さんと島根県浜田市出身の森脇さんの松江市協力隊OBOGコンビ。佐藤さんは、東京でフリーの構成作家として多忙な日常を送る毎日。森脇さんは、広島で管理栄養士としてドラッグストアに勤務する中、夫の転職先を探していました。そんなふたりが、東京と広島で開催された移住フェアに「とりあえず行ってみよう」とそれぞれ参加し、2016年4月から松江市地域おこし協力隊の1期生となりました。

協力隊の2年目、猪肉の商品開発に携わることに。猪肉のフランクフルトを作り、各地のお祭りで販売すると、これが予想を超える大ヒット。この大成功の裏でふたりは、「自分たちはただ串を刺しているだけじゃないか」と思い至ります。そもそも、どうして猪肉が余るのか。そこを深堀りしていくと、猟師の減少や仕留めても、活用もされず、ただ駆除として埋められるだけの猪など、鳥獣害をとりまく現実が見えてきました。

本格的にこの問題に向き合おうと狩猟免許を取得し、ベテランの猟師さんの猟に同行させてもらいながら、信頼関係を築いていきました。2018年11月、鳥獣被害対策や鳥獣肉の加工・販売などを行う合同会社弐百円を立ち上げます。いわゆる肉が美味しい冬の猟期だけでなく、鳥獣害対策で狩られる夏の猪の肉も余す所なく活用し商品化していくことを目指しています。「自分たちがおもしろいと思うことをやって、それが周りの人も喜んでくれて、結果的に地域のためになれば、それが一番いい」。ふたりに「地域おこし協力隊だから地域のために何かやらねば」という気負いはありません。自分たちの好奇心に正直に、自然体で今を楽しんでいます。

今後は、これまでの二人三脚での活動から、次のフェーズにステップアップできたらと考えています。「自分たちの活動に共感して、特技を発揮して一緒に活動してくれる人が現れたらうれしい」。ふたりの挑戦は、まだまだ続きます。

この記事は、島根県の地域おこし協力隊に関する取り組みを紹介する小冊子『島根おこすジャーナル』vol.6 (2024年2月発行)の一部を転載したものです。当時のものをそのまま掲載しています。

『島根おこすジャーナル』vol6 2024 バックナンバー

参考: 合同会社 弐百円 | 松江に今まで無かった。を、おもしろく!